【3月11日 AFP】国際フェンシング連盟(FIE)は10日、スイス・ローザンヌ(Lausanne)で臨時総会を開き、ロシアとベラルーシの選手の2024年パリ五輪予選大会出場を認めることを決めた。これ受け、ウクライナ側からは怒りの声が上がっている。

 ウクライナ侵攻により約1年前から国際大会から除外されている両国の復帰を認めた五輪競技は、フェンシングが初めて。

 この決定を受け、ウクライナ・フェンシング連盟(NFFU)は「深いショックと憤りを感じている」と反発している。

 FIEの代表者はAFPの取材に対し、今回の決定は「国際オリンピック委員会(IOC)の勧告や今後の決定を踏まえ」、パリ五輪の予選が始まる4月から適用される見通しだと述べた。

 ロシア・フェンシング連盟(FFR)は「感謝」の意を表明しつつ、連盟の会長は4月中旬までに「復帰」が間に合うかどうか懸念も示した。

 中立旗の下、ロシア五輪委員会(ROC)として参加した東京五輪のフェンシングで3個の金メダルに輝いたロシアは、ウクライナ侵攻で欧州連合(EU)の制裁リストに加えられた新興財閥(オリガルヒ)のアリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)氏が昨年まで14年間会長を務めるなど、長年FIEで主導的な役割を果たしてきた。

 総会では、NFFUが今回の決議を議題から取り下げるよう求めたが、投票で却下された。(c)AFP