【7月27日 CNS】スペインのバルセロナにて7月4日、浙江省(Zhejiang)青田県(Qingtian)出身の華僑の陳建友(Chen Jianyou)さんが今年最後の輸入ヤマモモの到着を待っている。彼は家族とともに十数年間欧州で果物の卸売り事業を営んでいる。近年では故郷のヤマモモを輸入し、欧州の数十のスーパーマーケットに供給しており、今年だけでも1万9000トン以上を提供した。

 大陸間の空輸で届くこのヤマモモは、1キロあたり約20ユーロという高値だが、売り上げには問題がない。華僑や華人たちがヤマモモの最も忠実な顧客層だ。

「青田のヤマモモを摘み取り、欧州の市場で販売するまでの全過程でコールドチェーン輸送を行っている。毎年この季節には、みんなが値段を気にせずヤマモモを買って食べるが、それは故郷の味のためなんだ」と、陳建友さんは語っている。

 ヤマモモ栽培の歴史は千年以上にものぼり、浙江省が原産地で、北緯20度から31度の地域で主に栽培されている。中国の浙江省、福建省(Fujian)、雲南省(Yunnan)など十数の省(自治区、直轄市)で栽培されており、その中でも浙江省は栽培面積、収穫量、生産額の面でトップの座を占めている。

 研究によれば、ヤマモモの果肉100グラムの80%以上は水分で、食物繊維、ミネラル元素、ビタミン、および人体に有益な八つのアミノ酸も豊富に含まれている。しかし、ヤマモモは糖分が高く、そのため細菌が繁殖しやすい上に保存が難しく、傷つきやすいため輸送も難しいのだという。

 うれしいことに栽培、育種、業界管理、鮮度保持の運輸といった面での革新のおかげで、今ではますます多くの人が新鮮なヤマモモを味わうことができるようになった。多くのネットユーザーがヤマモモの宅配パッケージをSNSに投稿し、旬の果物であるヤマモモが「おしゃれな商品」に変身している。

 二度の「浙江農業チャンピオン」ヤマモモのコンテストで優勝した、金華市(Jinhua)蘭溪市(Lanxi)前於村ヤマモモ専業合作社(協同組合)の倪曉軍(Ni Xiaojun)理事長は、ヤマモモの栽培技術を20年近く研究してきた。倪理事長は、連なっている山地でのスマート温室は、「良質なヤマモモ」を育てるための重要な要素だと述べている。

「現在は浙江省舟山市(Zhoushan)の晩稲ヤマモモと高山ヤマモモの市場出荷時期だ。7月上旬には今年のヤマモモシーズンも終わってしまう」と、浙江省農業技術普及センターの職員の周慧芬(Zhou Huifen)さんは記者に語った。今年の浙江省全体でのヤマモモの総生産量は71万トンに上り、品種別では6月中旬から下旬にかけて主に出荷される東魁ヤマモモが最も多く、累計40万トンだった。また、同省全体でのヤマモモの鮮果の生産額は約60億元(約1183億円)と予想されていると紹介した。(c)CNS/JCM/AFPBB News