【7月10日 AFP】ニュージーランドは10日、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出計画は安全基準に合致しているとした国際原子力機関(IAEA)の報告書を「全面的に信頼する」と表明した。

 IAEAは先週、日本の処理水放出計画について、人や環境への「放射線による影響は無視できる程度のものだ」と評価した。

 ニュージーランドのナナイア・マフタ(Nanaia Mahuta)外相は最大都市オークランド(Auckland)でIAEAのラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長と会談。処理水の報告書について、「詳細に」議論したと語った。

 マフタ氏は「ニュージーランドはIAEAの報告書を全面的に信頼していると改めて伝えた。IAEAの科学的根拠に基づいた取り組みについても評価した」との声明を出した。

「核実験が行われたという太平洋地域のトラウマに注意を向けることも重要だと感じており、放出計画について域内への情報提供を継続するよう直接要請した」としている。

 放出計画をめぐっては、近隣諸国から懸念の声が上がっている。

 北朝鮮は計画を支持したIAEAを非難。中国は海洋放出が実施されれば日本産の一部食品の輸入を禁止すると表明し、韓国でも抗議デモが行われている。(c)AFP