【6月17日 AFP】中国・北京で行われたサッカーの国際親善試合で、ピッチに侵入してアルゼンチン代表のリオネル・メッシ(Lionel Messi)に抱きついた若いサッカーファンが地元警察に拘束され、1年間のスタジアム出入り禁止を命じられた。中国当局が16日、明らかにした。

 15日に工人体育場(Workers' Stadium)で行われたアルゼンチン対オーストラリア試合では、後半にアルゼンチンのユニホーム姿の男がピッチに入り込み、憧れの存在であるメッシに抱きつくと、警備員に追いかけられた。観客は男の行動に歓声と拍手を送ったが、警察は大目に見ることはなかった。

 警察は18歳と特定されたこの男について、「朝陽区(Chaoyang District)の公安部が、法律に基づいてすでに行政拘禁とした」と発表するとともに、今後12か月にわたってスタジアムでの試合観戦を禁じたことも明らかにした。

 また、この男は現在「自身の行動を反省しており、公安からの処分を受け入れた」という。拘束期間や釈放されたかどうかは公表されなかった。

 試合当日は灼熱(しゃくねつ)の暑さにもかかわらず北京の会場に5万人以上が詰めかけ、メッシの活躍でアルゼンチンが2-0でサッカルーズ(Socceroos、豪代表の愛称)に勝利したのを見届けた。

 今週はじめにはチームが宿泊する高級ホテルの外に数百人のファンが押し寄せ、憧れのヒーローを一目見ようと厳戒態勢の通りに列をつくった。

 あるファンはAFPの取材に対し、メッシに近づくためにアルゼンチン代表の宿泊ホテルで管理者用のクローゼットに隠れていたと告白。結局ホテルの警備員に見つかって聴取を受けた後、解放されたという。(c)AFP