■コウモリ事件

 オズボーンさんがファンから投げられたコウモリをおもちゃだと思ってかじったら本物だったという「コウモリ事件」についても、「もしかしたら簡単に触れるかもしれない」という。

 アコスタ氏は、企画を持ち掛けたときからアイオミさんとはすぐに打ち解けたという。「労働者階級の貧困家庭出身というバックグラウンドが同じで、すぐに意気投合した」

 キューバで育ち、スターダンサーに上り詰めたアコスタ氏がブラック・サバスの音楽に出会ったのは遅かった。「1980年代に育った私は、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)になりたいと思っていた。ブラック・サバスのことは何も知らなかった」

 だが、90年代後半に友人からブラック・サバスを教えられ、「疎外されている人々の音楽で、とても興味深いと思った」という。

 バレエ音楽を手掛けた作曲家のクリス・オースティン(Chris Austin)氏は、ブラック・サバスの発表曲があまりにも膨大で、どこから手を付けていいのか分からなかったと述べた。

 しかし、ある程度絞り込んでいくと「美しい不規則性」や「テンポの激変」、そして初期のオズボーンさんの高音で張り上げるようなボーカルからインスピレーションを得るのは簡単だったと語った。

 オリジナルメンバー3人を含むブラック・サバスが2017年のバーミンガム公演を最後に活動を停止した今、このバレエ公演はファンにとって大きな楽しみとなるだろう。

 アイオミさんは、どんなバレエになるのか、皆と同じように興味があると言いつつ、アコスタ氏とバレエ団の成功は最初から確信していると語った。「ファンからはすでに興奮していると聞いている。最高のものになるだろう」

 映像は4月27日撮影。(c)AFP/Helen ROWE