フレディ・マーキュリーのコレクション1500点、展覧会後に競売へ
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【4月27日 AFP】英ロックバンド「クイーン(Queen)」のメインボーカルだったフレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)さんの衣装や歌詞の直筆原稿など1500点以上が競売に掛けられる。競売大手サザビーズ(Sotheby’s)が26日発表した。
マーキュリーさんのプライベートコレクションは、競売前に8月4日から1か月間、ロンドンで一般公開される。それに先立ち6月には米ニューヨーク、ロサンゼルス、香港でも一部が展示される。
ロンドンで六つの競売に掛けられる衣服、絵画、日用品などの落札額は、少なくとも計600万ポンド(約10億円)に上ると予想されている。
これらの品々は、1991年にマーキュリーさんが亡くなって以来、ほぼ手つかずでロンドンの高級住宅街ケンジントン(Kensington)にある旧宅「ガーデンロッジ(Garden Lodge)」に残されていたもので、親友の一人、メアリー・オースティン(Mary Austin)さんが管理してきた。
オースティンさんはサザビーズの発表で、「フレディが求め、愛した素晴らしい物に囲まれて暮らす喜びと特権を持っていました。しかし、年月は流れ、私の人生におけるこの特別な章を閉じるという難しい決断を下す時が来ました」と述べている。
オースティンさんはまたマーキュリーさんについて「すべての物に美しさと楽しさと会話があることを教えてくれた、信じられないほど知的なコレクター」と表現し、競売は「彼のユニークで美しい精神をたたえる」ものだと付け加えた。
■美意識を反映
マーキュリーさんのコレクションには、5月にチャールズ国王(King Charles III)の戴冠式で使われる聖エドワード王冠(St Edward's Crown)のレプリカも含まれている。これは1980年代にクイーンのステージで使われていた。
また、衣装デザイナーのダイアナ・モーズリー(Diana Moseley)さんがフェイクファーとベルベットで製作した赤いマントも出品される。85年のチャリティーコンサート「ライブエイド(Live Aid)」や、86年のクイーンのラストツアーでフィナーレの「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン(God Save the Queen)」を歌った際に着用したもので、落札予想額は最高8万ポンド(約1330万円)とされる。
今回初公開されるクイーンの代表曲「伝説のチャンピオン(We Are The Champions)」の歌詞の直筆原稿は9ページに及び、20万~30万ポンド(約3300万~5000万円)の値が付くと予想されている。
美術品ではパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)やアンリ・マティス(Henri Matisse)といった巨匠や、100年前の宝石商・金工家ピーター・カール・ファベルジェ(Peter Carl Faberge)の作品、日本の浮世絵などが出品される。
競売の収益の一部は、クイーンのメンバー、ブライアン・メイ(Brian May)さん、ロジャー・テイラー(Roger Taylor)さんらが創設したエイズ関連の慈善団体「マーキュリー・フェニックス・トラスト(Mercury Phoenix Trust)」と「エルトン・ジョン・エイズ基金(Elton John Aids Foundation)」に寄付されるという。(c)AFP