2000年前のキャンプテントから見るテント構造の歴史
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【4月30日 CGTN Japanese】まもなく始まる「メーデー」連休を利用して多くの人がキャンプを計画しています。キャンプは現代人だけの専売特許ではなく、昔の人も早くからその醍醐味を知っており、キャンプには欠かせないテントも、中国では長い歴史を持っています。
テントの古い名称は「幄帳」といい、古くから人々の生活に溶け込んでいました。本来は仕切りとして使われる厚いカーテンの間に設置される比較的大きなテントを指す単語で、オフィススペースのような役割を果たしていましたが、その後は徐々に軍が使うテントの代名詞となっていきました。
中国中部・河南省の密県にある「漢の時代(紀元前202~220年)」の古墳で見つかった壁画「幄帳図」は、2000年以上前、漢の時代の人々がテントを張る場面を描いたものです。漢の時代、「幄帳」は貴族の生活と外出の際の必需品であり、使用される金属部品は「帳構」と呼ばれました。この四阿(あずまや)式頂長方形幄帳は前漢の中山靖王劉勝が所有していたものです。木製の枠と繊維でできた幕は既に朽ち果てているものの、研究者はわずかに残されている銅製の帳構を基にしてテントの大きさを推測しました。この幄帳は長さ3メートル、幅2メートル、高さ2.3メートルで、今の時代においても間違いなく大きめのテントと言えます。
このテントに使われている金具は合計102点で、組み立てやすいよう、上部にI、II、III、一、二、三などの記号が付されており、14種類の部材に組立てることができます。幄帳内には柱を設けず、屋根にトラス構造(複数の三角形による骨組構造)を採用しているのは、建築史における大きな進歩と言えます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News