【4月24日CGTN Japanese】日本の人気コミック『スラムダンク』をアニメ映画化した『THE FIRST SLAM DUNK(ザ・ファースト・スラムダンク)』が中国本土で20日に公開されました。初日の前売り券の販売額は1億1500万元(約22億円)で、観客動員数は延べ290万8000人に達しました。中国で上映された映画としては、海外アニメ映画の前売り額の過去最高を記録し、日本アニメ映画としては公開初日の観客動員数が過去最多になりました。

 公開から4日足らずの北京時間23日午後8時時点で、同作品の興行収入は3億7700万元(約73億円)を超え、観客動員数は1000万人を突破しました。中国の映画興行データ分析アプリ「猫眼専業版」は、中国本土における興行収入が7億8900万元(約154億円)を上回ると予測しています。一方、日本のアニメ映画『すずめの戸締まり』も中国で興行収入が7億7000万元(約150億円)を突破するなど大ヒット中で、この2作品の興行収入は現在、中国の1日当たりの映画興行収入の7割以上を占めています。

 映画のヒットは、各種関連グッズの売り上げ上昇にもつながっています。『THE FIRST SLAM DUNK』については、制作側の東映アニメーションが20日の公開初日に中国のネット通販大手「天猫(Tmall)」の旗艦店で、湘北高校のフィギュアやユニフォーム、野球帽、A4クリアファイルなど関連グッズ10点を数量限定で発売したところ、1分間も経たないうちに売り切れになりました。出品側は事態を受け、「関連グッズの第2弾の生産を急いでいる」と急きょ発表し、5月中旬にはキャラクターTシャツ、ポスター、携帯ケース、バスケットボールなど、中国人ファンのために開発された100種類以上を発売するとのことです。

 中国の映画評論家である中国芸術研究院の孫佳山副研究員は、『スラムダンク』の劇場版が中国でこれほど注目され興行収入を達成したのは、漫画原作の影響力はもちろんだが、それよりも1990年代半ばから今世紀初頭にかけて、同漫画のアニメシリーズが中国で放送されたことが大きな理由だとみており、「ケーブルテレビが中国で全国的に普及しはじめた時期であり、同アニメシリーズは中国での放送により、多くの青少年ファンを獲得した。『27年遅れの全国大会』と表現された『THE FIRST SLAM DUNK』は、まさに『ノスタルジー』によって数多くの中国人ファンを映画館に呼び込んでいる」と分析しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News