【4月15日 AFP】中国を訪問しているブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は15日、米国はウクライナで「戦争を扇動する」のをやめ、平和について話し始めるべきだと訴えた。

 ルラ氏は、中国で習近平(Xi Jinping)国家主席と会談。アラブ首長国連邦(UAE)に向けて出発する前に記者団に対し、「米国は戦争を扇動するのをやめ、平和について話し始めなければならない。欧州連合(EU)も平和について話し始める必要がある」と語った。

 そうすることで国際社会は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領に「和平は世界全体の利益になる」と「説得」することができると主張。

 プーチン氏やゼレンスキー氏と協議するには「忍耐が重要だ」とした上で、「何よりも必要なのは、武器を供与し、戦争をあおっている国を説得によって止めることだ」と続けた。

 中国とブラジルは西側諸国と異なり、ウクライナ侵攻をめぐってロシアに制裁を科しておらず、自らを平和実現に向けた橋渡し役と位置付けようとしている。

 ルラ氏は訪中前、ウクライナ紛争の仲裁に向けた多国間グループの創設も提案し、本件について習氏と協議する意向を示していたが、会談後、本件の進展状況についての質問には詳細を明らかにしなかった。(c)AFP