【4月10日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は9日に公開されたインタビューで、欧州が台湾問題に関して米国や中国に追従すれば「自分たちとは無関係の危機」に巻き込まれるリスクがあると述べ、米中に安易に追随すべきではないとの考えを示した。

 3日間の訪中を終え7日に帰国したマクロン氏は、仏経済紙レゼコー(Les Echos)やニュースサイト「ポリティコ(Politico)」などに対し、「最悪なのは、欧州が米国の動きや中国の過剰反応に追随し、同調しなければならないと考えることだ」と語った。

 さらに、以前から唱えている、欧州連合(EU)の「戦略的自立」を追求すべきだとの持論を持ち出し、「米国との共通認識はもちろんあるが、ウクライナ、中国、制裁といった問題に関し、欧州には独自の戦略がある」と主張。「ブロック間の対立という論法には関わり合いたくない」とし、欧州は「自分たちとは関係のない世界秩序の混乱や危機に巻き込まれるべきではない」と強調した。

 マクロン氏のこうした発言は、米国が中国との対立を強める一方で、ウクライナに侵攻したロシア寄りの立場を中国が示す中、米国の反発を招き、対中政策をめぐるEU域内の分断を浮き彫りにする恐れがある。(c)AFP