【2月22日 AFP】1年前に始まったロシアによるウクライナ侵攻で、同国の若者の人生は一変した。AFPは、孤独や隔絶、痛みを抱えながらも生活を続ける3人を取材した。

 ITを専攻する学生のマルコさんは、2か月後に18歳になる。現在は、かつて家族と住んでいた首都キーウのアパートで独り暮らしをしている。

 マルコさんは、2021年から居間を占拠しているというクリスマスツリーを見せながら、「象徴的な意味がある。戦争開始以来、時が止まっているように感じる」と語った。

 侵攻開始10日前の昨年2月14日にキーウを離れ、西部リビウ(Lviv)に移った。母親が「念のために離れる方が良いと判断した」という。

 だが侵攻が始まり、外国で数週間過ごした後、マルコさんは6月にキーウに戻ってきた。両親は別居し、母親は現在オランダに暮らし、父親はリビウとキーウを行き来している。

 帰郷についてマルコさんは「本当に良かった。でも信じられないくらいストレスを感じる体験でもあった」と認めた。

 友人は皆欧州に行ってしまい、戻ってきたのは「ごくわずか」。「生まれてからずっと生きてきた街で突然独りぼっちになった。誰も知り合いがいないように感じた」

 マルコさんは「故郷に居るのにひどく孤立したように感じる、とても奇妙な体験だった。こらえるのは精神的にかなり厳しかった」と吐露した。それでも大学に進学してからは、新しい友人ができたという。

■「戦争が終わり、勉強を続けられるよう願う」

 昨年3月からおばと共にドイツ・ボン(Bonn)で暮らし、電話で取材に応じたオレクサンドラさん(19)は、自国で何が起きているか「考え続けてしまう」と話した。

「友人、両親、大切な人、人生の全て」がウクライナにあると語るオレクサンドラさんは、以前は東部ハルキウ(Kharkiv)の学校に通っていた。同市は侵攻開始直後にロシア軍に包囲されていた。

 当初、ドイツには2週間ほど滞在し、その後は自宅に戻るつもりだったというオレクサンドラさんは「自分がこんな生活を送ることになるとは想像もしていなかった。(昨年の)2月24日までは、何もかも計画通りだった。法律を勉強したいと思っていた。今ではその機会も失われてしまった」と嘆いた。

「半年か1年以内に戦争が終わり、(ハルキウで)勉強を続けられるよう願っている」