痛み抱え生きるウクライナの若者 侵攻開始から1年
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■「自分に残されたものをありがたく思う」
ニコルさん(22)も、昨年5月からロシアに占拠されている故郷の南部マリウポリ(Mariupol)に帰りたいと思っている。国際関係学を学んだニコルさんだが、現在は職もなくキーウで妹と同居している。
病気の母親は、マリウポリで医薬品が不足するようになった際に同市から避難したが、後に入院先の病院で亡くなった。
「私の人生に起きた一部の出来事のせいで落ち込むことはある。でも、自分が不幸だとは言えない」とニコルさん。
「この場所に座り、こうしてあなたと話していることに感謝の念を覚えずにはいられない。生命が脅かされ、何度も死にかけたのにそうはならなかったのだから、自分に残されたものをただありがたく思う」
マルコさんも、「戦争のせいで、またこうした状況下で大人になることの難しさから、ストレスが常態化している」ものの、自分は「幸運」だと感じていると話している。
NGOのボランティアとして、キーウ郊外で破壊された住宅のがれき撤去作業に参加したこともあるという。
ウクライナの全ての成人男性同様、マルコさんも徴兵対象になるが、自分に「十分な勇気」があるだろうかと思案している。「前線で誰かがショック状態に陥り、仲間がその誰かを救うのに集中しなければならなかったとすれば、足手まといになりかねない。自分はその誰かにはなりたくない」 (c)AFP/Emmanuel PEUCHOT
