【2月13日 AFP】フィリピン沿岸警備隊は13日、中国との係争海域となっている南シナ海(South China Sea)南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)のアユンギン礁(Second Thomas Shoal)付近で先週、中国海警局(沿岸警備隊)の船から「軍用級レーザー」を照射されたと明らかにした。巡視船の乗組員が一時的に視力を失うなどしたとして非難している。

 場所はアユンギン礁から約20キロの地点。フィリピンは主権の主張を目的として、ここに座礁させた揚陸艦に軍部隊を駐留させているが、その補給任務中にレーザー照射を受けたと発表した。

「軍用級」の緑色のレーザーを2回照射され、「船橋にいた乗組員が一時的に視力を失った」という。

 中国船はまた「危険な操舵」を行い、約140メートル以内に接近した。

 フィリピン沿岸警備隊は、「フィリピン政府の船舶による軍要員への食料・物資の補給に対する意図的な妨害は、フィリピンの主権をあからさまに無視しており、明らかな侵害だ」と述べた。

 またフィリピン軍のメデル・アギラー(Medel Aguilar)報道官は中国政府に対し、「人命を危険にさらすような挑発行為をしないよう軍の制御」を求めた。

 一方、中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官はこれに反論し、中国海警局の隊員は許可なく中国領海に「侵入」したフィリピン船に対し、「プロフェッショナルで抑制された」対応をしたと述べた。(c)AFP