【1月15日 AFP】カタールのエネルギー担当国務相で、国営エネルギー企業「カタールエナジー(QatarEnergy)」の最高経営責任者(CEO)でもあるサアド・シェリダ・カアビ(Saad Sherida Al-Kaabi)氏は14日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで開かれたエネルギー関連の会合で、欧州諸国はいずれ、ロシア産天然ガスへの依存度を再び高めることになるとの見方を示した。また、ガス市場の混乱は数年は続く可能性があると警告した。

 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシア産ガスの欧州向け輸出は減少した。しかし、カアビ氏は、「欧州諸国は現在は(ロシア産ガスに)再び依存することはない」と言っているが、「時が過ぎれば事態は改善すると思う。調達先の多角化が進むだろう」と指摘。「私見では、ロシア産ガスは欧州に戻ってくる」と語った。

 同氏はさらに、欧州では今冬は暖冬のためガス需要がそれほど旺盛(おうせい)ではないとしながら、在庫の補充に関しては問題を抱え続けると分析。来年から2027年にかけても市場へのガス供給量は大幅には増えないと予測した。その上で、「当面、不安定な状況が続くとみている」と語った。(c)AFP