【1月1日 CNS】「よく見てください、この男は小帥(イケメンさん)と呼ばれています」、ショート動画配信プラットフォームを開くと、多くのファスト映画で、よくこのように述べられている。抑揚のあるAIによる男性の声とともに、映画のプロットを組み合わせると、その後、「小美(美人さん)」「喪彪(映画の悪役)」「卡了咪(映画の悪役の従者)」などの名前が挙げられることもある。世界中の映画に登場するキャラクター名はあたかもこれだけという感じで、解説もBGM(バックグラウンドミュージック)もだいたい同じだ。このようなファスト映画は、映画そのもののさまざまな意味合いを無視した断片的な抽出であり、実質的に「映画を殺している」ものと考えるネットユーザーも少なくない。

 これらのファスト映画は通常3~5分程度の長さで、2~3話程度で配信される。形式は非常に定型的で、基本的には映画の名場面を編集し、AIナレーションと魅力的なBGMをつけ、最後にはサスペンスまで設定し、「未完の緊張感」を作り出す。

 よく見てください、思いもよらない、などの「むだ話文学」が氾濫している。

 ネット上では、「小帥」と「小美」にナレーションをさせることで、シリアスな設定がすべてふざけた言葉にすり替わってしまい、映画の価値を大きく損ねかねないと、この解説スタイルに否定的な声が多く寄せられている。

 3分間のファスト映画では、作品が圧縮され、本来一体化されたリズム、響き、雰囲気、起伏、隠喩がバラバラにされ、具体的な手段としての編集、演技、コマ運び、構図が台無しにされてしまい、完全な表現システムの機能基盤が失われるとファンの間で指摘されている。

 もちろん、ネットユーザーからも「すぐにストーリーを理解し、気になる作品があれば、じっくり見ることができる」、「見たくても見られないホラー映画があるから、こういうファスト映画で見ればさほど怖くない」という好意的な意見もある。

 AIによる音声解説も同様に著作権侵害だ。

 このようなネタバレ動画の素材はすべてオリジナル映画から作られており、動画制作の技術的な敷居は低く、ブロガーはわずかなキークリップを利用し、さらにあらすじを整合させるだけで、「精巧な」「圧縮ビスケット」式の動画を作ることができるという。

 しかし、ファスト映画にも著作権規範とコンテンツ規範を持つ必要がある。聯盛法律事務所のパートナーの徐駿(Xu Jun)さんは取材で、現在は、AI音声ナレーションを用いたショート動画の作成も、著作権侵害行為に該当すると述べた。同時に、プラットフォーム側は審査に怠慢があってはならず、現在の判例は、プラットフォーム側の責任もますます高まっていることを示しているという。(c)CNS-揚子晚報/JCM/AFPBB News