【12月22日 CNS】中国各地の大学で、学生が「紙のペット」を飼うことが流行している。大半の学生寮ではペットを飼うことができないため、宅配の段ボールなどを再利用して自作の犬などを制作している。

 SNS上では、工夫を凝らした紙のペットの写真がシェアされている。サングラスをかけてネックレスを巻いたブルドッグや四輪を付けて引いて歩けるようにした犬、リモコンカーと一体化させて自走する犬までさまざまだ。

 紙のペット作りは癒やしになっているようだ。ある学生は「紙製の子犬を作っている小一時間はとても穏やかな気持ちになる。そんな時は作った子犬の表情も穏やかになります」と話す。

 学生同士のコミュニケーションにもつながっている。紙製の犬を連れて「散歩」する学生も増えており、道で出会うと世間話をしたり、仲良くなって紙の犬同士の「結婚式」を開いたりするのだ。

 近くの学生寮のクラスメートに自分で作った紙の猫のために紙製のキャットフードを制作してもらう学生も。寮の部屋の前に2匹の子犬を並べて「もしも金持ちになっても互いに友だちを忘れてはならない」と書いた紙をドアに貼る学生もいた。

 これは中国の古典「史記」にみえる一文。犬の中国語発音である「ゴウ」が文章中に含まれることから2匹の犬を友人に見立ててパロディーにしている。

 紙のペットの流行は学生から大学全体にも広がっている。浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)にある大学のデザイン系学部は、紙のペットをデザインするイベントを開催。段ボールなどの廃棄物を再利用し、学生たちが思い思いにデザインすることで、コロナ禍で不自由な学生たちのメンタルケアにつなげる狙いだという。(c)CNS/JCM/AFPBB News