【12月15日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は14日、ロシアの五輪復帰問題について、同国の選手は「完全な孤立」を受け入れるべきであり、2024年パリ五輪への参加には断固反対すると述べた。

 2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、ロシア、ベラルーシ両国は国際スポーツ大会から排除されている。しかし、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)の関係者は12日、9日に行われた国際オリンピック委員会(IOC)の五輪サミットで、両国の国際大会への復帰に向け道筋を付けていくことについて全参加者から関心が示されたと明らかにした。USOPCとしても、両国選手のパリ五輪出場に関して、それぞれの国の国旗や国を象徴する色を使用しないことを条件に容認する構えを示した。  

 ゼレンスキー氏はしかし、IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長に対し、「ロシアの軍事作戦の結果、2月以降に184人のウクライナ人アスリートが死亡した」とし、米国の動きには強く反対すると伝えた。

 また、ロシア五輪委員会(ROC)の会長が五輪サミットに出席したことに対する失望も伝えた。ゼレンスキー氏は「平和な生活の基盤が破壊され、普遍的な人間の価値が無視されている時に、中立であろうとすることはできない」と訴えた。

 その上で、「テロ国家を国際舞台から完全に孤立」させることが唯一の解決策だとし、「特に国際スポーツイベントがそれに該当する」と語った。

 今年の北京冬季五輪では、ロシア選手は過去のドーピング違反を受け、ROC旗の下でしか出場が認められなかったが、多くの選手はロシア国旗の色のユニホームを着て競技に参加した。(c)AFP