【12月15日 AFP】中国で現在起きている新型コロナウイルスの感染拡大について、世界保健機関(WHO)は14日、同国政府が規制を緩和するかなり前から進行していたとの見解を示した。

 中国政府は先週、感染の徹底的な封じ込めを目指し3年近く続けてきた「ゼロコロナ」政策を突然撤廃し、大規模検査や感染者の隔離措置を終了。北京ではその後、感染者の急増が報告された。

 だがWHOで緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は記者会見で、「中国での感染者の爆発的増加は、コロナ規制の緩和によるものではない。ゼロコロナ政策が緩和されるかなり前から始まっていた」と指摘。

 現在の感染の主流となっているオミクロン株は感染力が非常に強いため、ワクチン接種率が低かった頃に流行していた変異株に比べて中国流の対策の効果が薄く、「ウイルスを完全に封じ込めることを目的とした公衆衛生や社会的措置を利用することができなくなった」と説明した。(c)AFP