【11月17日 Xinhua News】中国の南京工業大学は11日、同大学の研究チームがスクリーン印刷技術によってペロブスカイト太陽電池を製造するコア技術の開発に成功し、太陽電池製造分野で新たな進展を遂げたと発表した。関連論文は英科学誌「ネイチャー」オンライン版に掲載された。

 ペロブスカイトは従来の太陽電池素材である多結晶シリコンと比べ、柔らかい太陽電池薄膜の製造に適しており、太陽電池分野での研究の重点となっている。

 論文の共同責任著者で同大学柔性電子(未来技術)学院副院長の陳永華(Chen Yonghua)教授は「スクリーン印刷技術はペロブスカイト薄膜の製造にとって理想的な技術と考えられている」と説明。同技術は産業界で実用化されているが、ペロブスカイト光学活性層への応用は実現しておらず、これを解決する鍵はインクにあったと述べた。

 共同筆頭著者で南京工業大学修士課程生の韓虎忱(Han Huchen)氏によると、研究チームは今回、粘度制御や成分調節ができ、空気中で安定して保存できるインクの開発に成功。ペロブスカイト薄膜へのスクリーン印刷技術の応用が直面していた難題を解決し、印刷した薄膜の厚さや面積、図柄も的確に制御できるようになった。

 実験結果によると、印刷速度は毎秒20センチ以上で、生産されたペロブスカイト太陽光発電デバイスの変換効率が14・98%に達した。陳氏によると、研究チームはすでに一辺15センチの正方形の薄膜の製造に成功しており、次の段階では一辺50センチの薄膜の製造を目指している。(c)Xinhua News/AFPBB News