【11月14日 CNS】ロバの削蹄(さくてい)や耳かき、せっけん切り──夜中の3時や4時に、ネットで見る若者がなぜ増えているのか?

 ビデオでは、黒いロバが足を引きずって歩いている。普通に歩けるようにするために、削蹄師は専用の大きな刃物とはさみで、ロバの蹄(ひづめ)の形を整える。切る、削る、磨くという全工程を経て、ロバはついに普通に歩けるようになった。このような普通の削蹄の5分動画は、あるショート動画配信プラットフォームで100万回も再生された。

 このような一見ごく普通の動画は、見る人が増えるに伴い、徐々にストレス解消動画と言われるようになった。

 現在、動画配信プラットフォームでは、ストレス解消に関する話題やタグが100近くあり、関連動画の累計再生数は1000億回を超えた。ストレス解消動画のクリエーターの一部は、トラフィックの現金化に成功し、同じデザインの19.8元(約390円)の小道具を取り扱う店舗は29万1000点もこの小道具を売り上げた。

 なぜ、この病みつきになるストレス解消動画がネットで人気を集めているのか? そして、それらには本当にストレス解消の効果があるのだろうか?

 ストレス解消動画は適切に見れば効果があるが、バーチャル世界でのストレス解消は、一時的な心理的緩和にすぎず、実生活のストレス問題を解決することはできない。ストレスを本当に軽減するためには、ストレスや感情の適切な管理について学ばなければならない。

「これを見ていると、とても病みつきになる。数秒だけ見るつもりだったのが、うっかり10分以上のフルバージョンを見てしまい、その後もついつい似たような動画を検索して見てしまった」と、会社員の唐さんは語った。彼女はいつも寝る前に15分の動画を探している。1年前に、たまたま耳かきの動画にアクセスして以来、「魔物に取りつかれた」ように夢中になってしまい、毎日定期的に見るようになった。ブロガーが時間内に更新しなければ、コメントで更新を催促する時もある。

 大学院受験を準備している女子大学生の張さんも、ストレス解消動画を見るのが好きだ。それに、「カーペットを洗う」「せっけんを切る」など、機械的に繰り返される、視聴者が余計なことを考えなくても済む動画を見るのが一番のお気に入りだ。張さんは、これらの動画を見るとき、注意は動画に集中し、頭が一時的にからっぽになり、心が穏やかになると感じるという。「日中は勉強で体が消耗してしまうため、夜はこんな動画で癒やされたい」と述べた。

 中国オンライン医療サービス「丁香医生」が発表した「2022年国民健康インサイトリポート」によると、「感情問題(不安、うつなど)」が3年連続で健康問題のトップとなった。

 また、2021年3月に中国科学院(Chinese Academy of Sciences)心理学研究所が発表した「中国国民心理健康発展報告(2019~2020)」によると、18~24歳の若者の不安やうつのレベルは、成人後の他の年齢層よりも高いという。(c)CNS-成都商報/JCM/AFPBB News