【11月8日 CNS】今年の北京冬季オリンピックでは、フリースタイルスキーの中国の金メダリストの谷愛淩(Gu Ailing)選手の「美しさは細さではない、美しさは強さだ」という名言に、多くの女性が感銘を受けた。男性視線の下にある「白く、細く、若い」という伝統的な美意識から、健康と強さを求めるようになり、ステレオタイプから抜け出してジムに通って筋トレをする中国人女性が増えている。

 中国では、女性フィットネス市場の拡大が目覚ましい。中国DT財経(CBNData)の「2020年オンラインスポーツ市場における女性消費者インサイトレポート」によると、中国人女性の72%がフィットネスの習慣があり、国家体育総局の「2021年大衆フィットネス行動と消費に関する研究レポート」によると、女性のスポーツに対する平均支出総額は6362元(約12万9006円)に達し、前年比約50%増となることが明らかになった。中国のフィットネスプラットフォーム「楽刻運動」の「現代女性フィットネスインサイトレポート」によると、2022年には同プラットフォームの会員の54%が女性になり、一人当たりの活動頻度も男性ユーザーを4分の1近く上回ったという。

 中国の女性の経済水準の継続的な向上と平等な権利意識の高まりにつれ、男性を喜ばせることよりも、より健康で強い自己を築こうとする女性が増えている。中国のスポーツサービスアプリ「Keep」のコンテンツ・プロダクトディレクター、馬東雯(Ma Dongwen)さんによると、今後の女性のフィットネスには2つの大きなトレンドがあるという。第一は、ニーズの細分化が進み、年齢やライフステージ、社会的アイデンティティが異なる女性が自分に最適なフィットネススタイルを見つけることができるようになったことだ。第二として、従来の体脂肪減少やシェイプアップに加え、コース内容がより多様化し、運動を通じて女性が自分自身を喜ばすことができるよう、機能ニーズから感情ニーズへのシフトが進んでいることが挙げられる。

「現代女性フィットネスインサイトレポート」によると、筋肉増強、総合格闘技、産後回復などのレッスンが、中国の女性のフィットネスにおける新たなトレンドになっているという。「以前は、筋肉をつけると見栄えが悪くなるのではと、筋肉をつけることを警戒する女性が多かった。フィットネスの知識が広まることで、スクワットで足が太くなるわけでもなく、ウェイトトレーニングをしても腕がたくましくなるわけでもないことに、皆気づいてきた。女性がフィットネス器具を正しく使うことで、より美しいボディラインを手に入れることができる」と、北京のフィットネスインストラクター、趙暁宇(Zhao Xiaoyu)さん(仮名)は述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News