【11月8日 AFP】台湾外交部(外務省)はこのほど、ウクライナで義勇兵として戦っていた台湾人男性が戦死したと発表した。ロシアによる侵攻を受けるウクライナで台湾人義勇兵が死亡するのは初めてとみられている。

 外交部によると、ウクライナ軍の野戦指揮官が、義勇兵大隊に加わっていた曽聖光(Tseng Sheng-kuang)さん(25)の死亡を認めた。

 同部は5日夜、「ウクライナの戦争に命を賭した同胞に心からの弔意を表するとともに、自由と民主主義を守る戦いでウクライナ人を支援した曽氏に敬意を表する」との声明を出した。

 死因は公表されていないが、中央通信社(CNA)はウクライナ東部ルガンスク(Luhansk)市での戦闘中に負傷し、失血死したと報じている。

 曽さんの妻はCNAに対し、曽さんは6月にウクライナ入りし、最後に連絡があったのは先月23日だったと話した。

 今月2日になって、曽さんの携帯電話から、仲間の兵士が書いたメッセージが届いた。戦闘中に曽さんが負傷し、病院へ向かう途中で死亡したと伝える内容だったという。

 台湾では、中国による侵攻の脅威に直面する自らの現状を重ねて、ウクライナに同情を寄せる市民が多い。台湾メディアによると、現在ウクライナでは10人前後の台湾人義勇兵が戦闘に加わっているという。(c)AFP