【11月9日 CNS】中国外交部の最近の発表によると、中国と欧州を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の今年の輸送が1万4000万本を超えた。コロナ禍などの影響にかかわらず、中国と欧州の貿易の強い回復力と活力を示している。中欧班列は世界の産業チェーンとサプライチェーンを安定させ、ポストコロナの世界経済回復に重要な役割を果たしている。

 中欧班列は2011年に運行を開始し、現在82の運行路線を通じて欧州24か国の200都市に到達している。

 復旦大学(Fudan University)国際問題研究所のロシア・中央アジア研究センターの馬斌(Ma Bin)副研究員は「画期的な国家プロジェクトである中欧班列はユーラシア大陸の各方面を結び、中国と沿線諸国がシルクロード経済圏構想『一帯一路(Belt and Road)』を共同で建設するための重要な出発点を提供している」と説明する。

 11年以上の時を経て、中欧班列は「3つの通路、4つの拠点、5つの方向、6つの主要ルート」を形成し、東西を結ぶ新しいネットワークを構築した。「3つの通路」とは、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)を経由して出国する西通路と、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)を経由する中・東通路を指す。「4つの拠点」は、新疆ウイグル自治区の阿拉山口市(Alashankou)とコルガス市(Khorgos)、内モンゴル自治区の満洲里市(Manzhouli)とエレンホト市(Erenhot)。「5つの方向」は欧州連合(EU)、ロシア、中央アジア、中東、東南アジアといった輸送地域のことだ。EUやロシア、中央アジアは輸送路線が集中し、中東と東南アジアはまだ少数だ。「6つの主要なルート」とは、開業から安定した輸送を続ける西安市(Xi’an)、成都市(Chengdu)、重慶市(Chongqing)、鄭州市(Zhengzhou)、武漢市(Wuhan)、蘇州市(Suzhou)を示し、近年は済南市(Jinan)を起点とするルートも好調だ。

 中欧班列の真価は、中国を通じて欧州や中央アジア、東アジア、東南アジアなど各方面を鉄道ルートで結んでいることであり、輸送のボトルネックを解消することで各企業の投資や移転などが促進されている。国際輸送ルートを強化するため各国でインフラ整備が進み、中欧班列の運行自体が中国と沿線諸国間の経済基盤を強固なものにしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News