【10月22日 AFP】(更新)中国の胡錦濤(Hu Jintao)前国家主席(79)が22日、北京の人民大会堂(Great Hall of the People)で行われていた共産党大会の閉幕式を突然退席させられた。AFP取材班が確認した。

 胡氏は最前列の習近平(Xi Jinping)国家主席の隣に座っていた。職員に腕をつかまれそうになると振り払い、その後、脇の下に両手を入れられて立たされた。

 映像には、習氏の机にある書類を胡氏が取ろうとするのを習氏が押さえて防ぐ場面も映っていた。

 胡氏は習氏および李克強(Li Keqiang)首相と1分ほど言葉を交わし、ほとんどの出席者が前方をじっと前を見つめる中、李氏の肩を軽くたたき、会場外に連れ出された。

 1週間にわたる党大会はほとんど非公開で行われていたが、胡氏の退席は報道陣の取材が認められた直後のことだった。

 胡氏の退席に関する説明はなかった。

 米コンサルティング会社ユーラシア・グループ(Eurasia Group)の中国担当アナリスト、ニール・トーマス(Neil Thomas)氏は「胡氏の行動の原因は分かっていない。習氏の権力に反発したのか、それとも不幸にも加齢によるものなのか」「もっと情報がなければ、この出来事がどのように中国政治と関係しているのか、確かな結論を出すのは難しい」と述べた。

 微博(ウェイボー、Weibo)で「胡錦濤」と検索しても、22日午後の投稿は当局の厳しい検閲を受けているとみられ、最新の検索結果は21日以前のものや党の投稿しか表示されなかった。(c)AFP