【10月15日 AFP】中国の検閲当局は14日、習近平(Xi Jinping)国家主席と同国の新型コロナウイルス対策を批判した北京での抗議行動に関する投稿をインターネットからほぼ削除した。同国でこうした抗議デモが行われるのは異例。

 中国政府は、習氏の3期目入りが確実視されている16日開幕の共産党大会に影響を及ぼす事態を阻止するため、厳戒態勢を敷いている。

 しかし、13日にソーシャルメディアで共有された動画や画像には、党の政策を批判するメッセージを手書きした2枚の横断幕が北京の高架橋に掛けられているところが写っていた。

 1枚には「新型コロナ検査は要らない。普通の生活を送りたい。文化大革命は要らない。改革を望んでいる。ロックダウンは要らない。自由が欲しい。指導部は要らない。投票がしたい。うそは要らない。尊厳が欲しい。奴隷にはならない。市民になりたい」と書かれ、もう1枚には、国民にストライキの実施と「独裁の国賊・習近平」の排除を呼び掛けるメッセージが書かれていた。

 他の画像には、横断幕の向こうに立っている人物や、橋の上で火災が発生して煙が上がっている場面、警察が横断幕を撤去する様子などが捉えられていた。

 AFPが13日に現場を訪れた際は横断幕や、メッセージを掲げたとされる人物の姿はなかったが、周辺には通常より多くの警察官が配備されているようだった。

 14日に再び現場で取材すると、近くで働いていた男性が「当局に目を付けられたくない」として匿名を条件に「多くの人が目撃していた」と語り、横断幕は掲示されて間もなく撤去されたと明らかにした。

 中国のソーシャルメディア検閲当局は14日朝までに、横断幕が掲げられていたとみられる高架橋の名称「四通橋(Sitong Bridge)」を含め、抗議行動に関する投稿やキーワードをブロックした。(c)AFP