【10月14日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は13日、W杯カタール大会(2022 World Cup)の準備期間中に負傷した移民労働者に対する、補償基金の設立を検討しているところだと発表した。

 FIFAのアラスデア・ベル(Alasdair Bell)副事務局長は、カタールでの労働者の権利に関する欧州評議会(Council of Europe)の会合で「W杯での労働によって負傷した人を、どうにかして救済しようとするのが重要だ」とコメントした。

 労働者のための補償基金設立という考えは、複数の人権団体から提案されており、大会スポンサーに支援が要請されている。

 保守的なイスラム教指導者がいる小国カタールは、開催地に選ばれた2010年から人権に関して視線が注がれており、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)」は今年、FIFAに対して「人権を侵害された」労働者に4億4000万ドル(約647億円)の基金を設立するよう要求した。

 カタールは労働者の死者数や負傷者数を過少報告しているという非難や、未払い賃金に対する不満にさらされている。

 ここ10年間におけるカタールの進歩には賛否あり、11月20日の大会開幕までに同国とFIFAにはより重圧をかけねばならないという批判もある。

 一部国際メディアが報じた移民労働者の死者数に反論しているカタールは、W杯の開催地に選ばれてから雇用規則に関する一連の改革を導入していると述べている。(c)AFP