【8月23日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)の開幕まで3か月を切る中、同国政府が賃金未払いに対する抗議活動を行った移民労働者を国外追放したと、22日に人権団体が明かした。

 移民の待遇をめぐって厳しい目が向けられているカタール政府は、14日に行われた抗議活動に参加した一部の労働者を拘束したと認めたものの、国外に追放したかどうかについては詳細を述べていない。

 英ロンドンを拠点とする労働権運動団体エクイデム(Equidem)によれば、ドーハで行われた抗議活動では、少なくとも60人の労働者がエンジニアリングを手掛けるアル・バンダリー(Al Bandary)社の外で道路の通行を妨げた。参加者の中には7か月も賃金が支払われていない人もいたという。

 エクイデムの代表を務めるムスタファ・カドリ(Mustafa Qadri)氏は、「ネパールに強制送還された一人」を含め「抗議に参加した労働者と話をして、この男性の帰国を確認した」とコメントした。

「ネパールやバングラデシュ、インド、エジプト、フィリピン出身の人々も退去させられた」

 カタール政府は21日、「治安法に違反したとして抗議活動を行った数人を拘束した」と発表した上で「平穏な状態を維持できず、カタールの治安法に反する行動を取った少数の参加者は、裁判所の命令により国外退去となる可能性もある」と付け加えた。しかしながら、国外退去となった労働者の人数については明かされなかった。(c)AFP