【10月7日 AFP】フィリピンの主要島ルソン(Luzon)各地で、3500人以上が参加する米比の合同軍事演習「カマンダグ(KAMANDAG)」が行われている。7日には両国の海兵隊が、中国との係争地となっている岩礁から約240キロ離れた浜辺に上陸した。

「カマンダグ」は「海の戦士の協力」という言葉の頭文字を取った名称。毎年行われているが、フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領就任後としては初めて。

 ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)前大統領は、中国との融和路線に転じ、米国との軍事演習を中止する可能性も示していた。しかし、マルコス大統領は、数十年に及ぶ米国との同盟関係への強い支持を表明した。

 同演習は3日から始まり、14日まで続けられる予定。演習目的の一つは、フィリピン軍の沿岸防衛能力の強化。

 7日の陸海演習は、サンバレス(Zambales)州の人家のない浜辺で行われ、兵士約300人が参加した。この浜辺は2012年から中国が実効支配するスカボロー礁(Scarborough Shoal)の東約240キロにある。

 豊かな漁場であるスカボロー礁の領有権をめぐって、中国とフィリピンは対立している。

 中国政府は南シナ海のほとんどの領有権を主張。フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイは重なり合う形で南シナ海の一部の領有権をそれぞれ主張している。

 国際裁判所は中国の主張には法的根拠がないと判断したが、中国はこれを無視し、自国の立場を積極的に主張してきた。中国は人工島を建造して、沿岸警備隊や海上民兵を周辺海域や岩礁に配備し、他国の漁船などを妨害している。(c)AFP/Mikhail FLORES