【5月26日 AFP】(更新)フィリピンの次期大統領に選出されたフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)元上院議員は26日、中国が領有権を主張する南シナ海(South China Sea)の係争海域について、中国の主張を否定した常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判決を支持するとし、中国にフィリピンの権利を侵害させないと強調した。

 マルコス氏は地元メディアのインタビューで「わが国の立場を支持する極めて重要な(常設仲裁裁判所の)判断が下されており、それに基づきわが国の領有権を主張し続けるつもりだ。領有権はすでにわが国にある」と説明。「わが国の領有権が1ミリたりとも侵害されることを許さない」と、これまでで最も強硬な表現を使った。

 ただ「中国に対しては一貫して毅然(きぜん)とした姿勢で話している」とする一方、「中国と戦争はできない。それは今、最も望ましくないことだ」とも語った。

 常設仲裁裁判所は2016年、南シナ海のほぼ全域の領有権を有するとの中国の主張には根拠がないとして退けたが、中国はこれを無視している。

 現職のロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は、判決に基づいて積極的に領有権を主張しない見返りに、貿易や投資の拡大を中国側に期待したが、いまだに実現していないと批判されている。(c)AFP