【10月7日 AFP】米ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)で組織的な性的虐待および不正行為が判明したことを受け、同国女子代表のスター選手であるミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)は6日、自身が「ぞっとしている」と話すこの問題を、変革のきっかけに活用するようサッカーの統括団体に呼びかけた。

 元米司法長官代理のサリー・イエーツ(Sally Yates)氏らが今週発表した調査報告書では、リーグ内で指導者による数々の虐待行為があったと指摘された。同氏がインタビューした200人以上のNWSL選手はその多くが代表チーム経験者で、不正行為や暴言を含む虐待の内容を詳細に語っていた。

 英ロンドンのウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われるイングランド代表との親善試合を翌日に控えたこの日、ラピノーは今回の問題に「ぞっとしている」と報道陣に話し、「(米代表チームの)選手たちにとってはつらい出来事となっている。中にはこれらのクラブやコーチ陣の下でプレーしていた選手もいるかもしれないし、さまざまな環境で何らかの虐待を受けていた可能性もある。それらを思い返して再びトラウマになるのは間違いない」と懸念を示した。

「女子スポーツにおいて、これは誰にとっても本当に厳しい状況。これをきかっけに、二度とこうしたことが起きないよう願っている」

 NWSLのOLレイン(OL Reign)でプレーするラピノーはまた、国際サッカー連盟(FIFA)と米国サッカー連盟(USSF)に対し、今後は女子選手がもっと保護されるよう、より厳格で明確なガイドラインを構築するよう訴えた。

「こうしたことが年々起きていた中で、彼らは選手たちを守っていなかった。毎年誰かが、複数の指導者について声を上げていた」

「何らかの方針を打ち立てるのが重要なことの一つ。人々に責任を負わせるものが全くなければ、それは難しい」

「FIFAであれ各連盟であれ、選手たちが信頼を置けて効力がある報告システムをつくることだ」 (c)AFP/ Steven GRIFFITHS