【10月5日 AFP】米ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)、ポートランド・ソーンズFC(Portland Thorns FC)のオーナー、メリット・ポールソン(Merritt Paulson)氏は4日、クラブの元監督であるポール・ライリー(Paul Riley)氏(58)による性的不正行為への対応について、被害者の元選手2人への謝罪文を発表した。

 ポールソン氏はクラブの公式ウェブサイトに投稿した公開書簡の中で、2015年にライリー氏を解雇した理由をもっと明確にすべきだったとし、説明責任と透明性の欠如やその後の対応が「女子プロサッカーリーグに広がった組織的な過ち」を示していると述べた。

 さらに「当時われわれは、ライリー氏との契約を打ち切ったことを明確にせず、契約を更改しないと不明瞭な発表をした。それは、選手のプライバシーを尊重するために正しいと思ってしたことだった」と強調し、「われわれのせいで、女子プロサッカーリーグに明らかな組織的過ちが広がってしまったことを深く悔やんでいる」と謝罪した。

 オーナーはまた、当時クラブに所属していたシネイド・ファレリー(Sinead Farrelly)氏とミレーナ・シム(Meleana "Mana" Shim)氏から疑惑の告発があったことを受け、内部調査を行ってその結果をNWSLに通知したと明かした。

 しかし、ソーンズが調査結果を公表しなかったことによって、ライリー氏の解雇理由は成績不振だったと人々に思わせたとの認識を示した。

 この問題をめぐっては前週、米ウェブサイトのジ・アスレチック(The Athletic)で、ノースカロライナ・カレッジ(North Carolina Courage)を先日解雇された英国出身のライリー氏が、2010年から複数のクラブやリーグで行っていた広範な不正が詳細に報道されていた。

 ライリー氏の下で別々の3クラブでプレーしていた経験があるファレリー氏は、フィラデルフィア・インディペンデンス(Philadelphia Independence)時代に「性行為を強要」されたと記事で訴えていた。

 それによると、NWSLの前身である米女子プロサッカーリーグ(WPS)の2011年シーズン決勝で敗れた後、同氏はライリー氏の部屋を訪れた際に性行為を強要され、このことは「2人で墓場まで持っていくことにしよう」と言われたという。

 また、ソーンズ時代には、ライリー氏のアパートでシム氏とのキスを無理強いされたといい、「あの男はそれがお決まりだった」と語った。(c)AFP