【9月30日 AFP】フランス・パリロンシャン競馬場(ParisLongchamp Racecourse)で10月2日に行われる凱旋門賞(Prix de l'Arc de Triomphe、芝2400メートル)の枠順抽選が29日に行われ、前年優勝馬のトルカータータッソ(Torquator Tasso)は難しいゲートからの発走となり、最多7度目となる優勝を目指すフランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手にとっては痛手となった。

 イタリア出身で51歳のデットーリ騎手と、単勝80倍の大穴ながら昨年のレースで驚きの優勝を果たしたドイツ馬のトルカータータッソは、賞金総額500万ユーロ(約6億9000万円)の凱旋門賞で20頭立ての18番ゲートに決まった。

 また、日本馬のステイフーリッシュ(Stay Foolish)は最も不利な大外20番に入った。1969年から19回にわたり凱旋門賞に挑戦するもいまだ優勝したことがない日本馬は、今年は最多4頭が出走する。

 外枠から凱旋門賞を制したケースは過去にはあるものの非常にまれで、2015年にデットーリ騎手が騎乗したゴールデンホーン(Golden Horn)のような並外れた才能を持つことが大半だ。

 フランスダービー(French Derby)優勝馬のヴァデニ(Vadeni)が2番ゲートに決まったことで、所有する競走馬が過去に凱旋門賞を5度制している馬主のアガ・カーン(Aga Khan)氏は満面の笑みを浮かべるだろう。1980年以降、2枠から凱旋門賞を制した馬は6頭いる。

 大外に決まったステイフーリッシュの優勝の望みはさらに薄まったかもしれないが、日本馬の残り3頭中2頭にはあらゆる可能性が残されている。

 日本馬4頭の中では最も評価が高く、国内のG1で複数回の優勝を誇るタイトルホルダー(Titleholder)は10番ゲートに決まった。タイトルホルダーは前哨戦に臨むことなく凱旋門賞を迎える。

 日本ダービー(Japanese Derby)の優勝馬で、前哨戦となった今月初めのニエル賞(Prix Niel、芝2400メートル)では期待外れの結果に終わった武豊(Yutaka Take)騎手が騎乗するドウデュース(Do Deuce)は3番となった。

 日本を代表するジョッキーで、凱旋門賞で何度か低調な結果を残している武騎手だが、53歳にして騎乗を続けられているのは、最終的に同レースで勝ちたいからだと28日と認めた。

 武騎手は凱旋門賞について、「個人的には大きい目標、夢。いつか勝ちたいと思って何年もたっている。ジョッキーを続けている大きなモチベーションの一つだと思います」と語った。

 ディープボンド(Deep Bond)は5番ゲートからの発走となり、少なくとも最下位14着に終わった昨年よりは良い印象を残せるかもしれない。(c)AFP/Pirate IRWIN