【9月13日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の死去は、王室を離脱し米国に移住したヘンリー王子(Prince Harry)と妻のメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)が他の王族と和解するきっかけになる可能性がある。

 女王が亡くなった8日、珍しく英国を訪問中だった王子夫妻は、ウィンザー城(Windsor Castle)で10日、兄夫婦のウィリアム皇太子(Prince William)とキャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales)と共に姿を見せた。4人が公の場へ一緒に現れたのは、ヘンリー王子夫妻が2020年に米国に移住して以降で初めてだった。

 黒い喪服を着た4人は、一般市民が供えた多数の花を一緒に眺めた後、夫妻ごとに別れて市民と交流。その際、互いの仲をうかがわせるような言動はなかった。

 だが、カメラの前に一緒に登場したことは、大きく悪化している関係の修復を予期させるものとなった。英王室担当記者たちは、ウィリアム皇太子がヘンリー王子に対して「和解の申し出」として同伴を提案したと伝えている。

 二人をめぐる状況は、つい2日前には違っていた。ウィリアム皇太子は、ヘンリー王子以外の王族と共に、女王が亡くなったバルモラル城(Balmoral Castle)に到着。ヘンリー王子はその後、一人遅れて城に到着した。二人とも、女王の最期に立ち会うことはできなかった。

 英王室に詳しいリチャード・フィッツウィリアムズ(Richard Fitzwilliams)氏は、二人が別々にバルモラル城に到着したことは、「疎遠」になっていたことを示していると指摘。ヘンリー王子とメーガン妃による最近の王室批判は「王室に大きな打撃を与えた」と受け止められているとし、王子夫妻と王室との今後の関係は、夫妻の「出方次第」だと述べた。

 ヘンリー王子とウィリアム皇太子は昨年、母ダイアナ元皇太子妃(Princess Diana)の銅像の除幕式で再会した際、険悪な関係にあることが明らかだった。女王の在位70年を祝う今年6月のプラチナジュビリー(Platinum Jubilee)では、二人は顔を合わせなかった。

 メーガン妃は最近、米ファッション誌ザ・カット(The Cut)のインタビューで、今は自身の経験について「自由」に語れるように感じると告白。この発言は、王室に対する遠回しの脅迫だとも受け止められた。