仕事のオンオフ見直す「クワイエット・クイッティング」 米で注目
このニュースをシェア
【9月11日 AFP】米国で働く一部の人々の間で、「クワイエット・クイッティング」という考え方が広まりつつある。働くのは週40時間、仕事とプライベートに線を引き、就業時間外は仕事の電話やメールには対応せず、何か頼まれても穏やかに「ノー」と断る──。クワイエット・クイッティングをそのまま訳すと「静かにやめる」という意味になるが、この言葉は、常に仕事とオフの切り替えがないという気がめいる状態に抵抗する姿勢を指す。
ジョージア州アセンズ(Athens)に住む元教師のマギー・パーキンズさん(30)は、週60時間、当たり前のように働いていた。だが1人目の子どもが生まれてから、自分の働き方に疑問を持つようになった。
「休暇で旅先に向かう飛行機の中でも、私が採点をしている写真があります。その頃の私にはワークライフバランスなんてありませんでした」と、パーキンズさんは動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」の動画で振り返っている。
パーキンズさんは博士号の取得を目指して退職したが、教師仲間のために勤務時間内に仕事を終わらせる実用的なヒントを動画やポッドキャストで紹介している。
当時、クワイエット・クイッティングという言葉はまだなかったが、「ポイントは、(仕事のオンとオフで)きっちり線を引くことです。そうすることで、給料をもらう分だけ働き、その後は家に帰って家族と過ごしながら人間らしい生活が送れるようになります」とAFPに話した。
■50万近い「いいね」
クワイエット・クイッティングというフレーズがティックトックに初めて登場したのは今年7月。
「@zaidleppelin」というアカウント名を持つユーザーが、「仕事をいきなりやめなくても、規定以上に働かないようにしたらどうだろう。やるべき仕事はちゃんとこなすけれど、仕事イコール人生みたいな『ハッスル(がむしゃらに働く)文化』のメンタリティーに染まらないようにすればいい」と提案した。
この投稿は拡散され、50万近い「いいね」が付いた。同じような思いを持つ人々からのコメントが殺到。さまざまな新聞のコラムでも取り上げられ、たちまち議論が沸き起こった。