【9月1日 AFP】ロシア軍に占拠されているウクライナ南東部のザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所に向かっている国際原子力機関(IAEA)の調査団が8月31日、原発に近いザポリージャ市に到着した。ラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長は、原発への立ち入り調査を9月1日に開始し、「常駐」を目指す意向を示した。

 同市からエネルホダル(Energodar)市にある同原発までは車で2時間の距離。グロッシ氏が率いる14人の調査団は同日朝に首都キーウを出発し、午後2時ごろザポリージャ市に到着した。

 グロッシ氏は、自身の使命として「原発事故を防ぎ、欧州最大の原子力発電所を持続させること」と説明。「あす始まる実際の作業に備えている」とし、「IAEAの常駐確立を試みる予定だ」と述べた。

 ロシア軍とウクライナ軍との戦闘の前線に位置している原発周辺地域では最近、砲撃が相次いでおり、国際社会の懸念が高まっている。この日も調査団がキーウから出発した後、ウクライナ当局は、エネルホダルがロシア軍の攻撃を受けたと発表した。

 同市のドミトロ・オルロフ(Dmytro Orlov)市長はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)で、1発の砲弾が市庁舎を直撃したと説明。建物の側面に穴が開き、がれきが地面に散乱する写真を投稿した。(c)AFP