【8月24日 AFP】米国は23日、ロシアが今後数日以内にウクライナ政府施設を攻撃する可能性があると警告した。ロシア政府は、先週末に同国で起きた暗殺事件はウクライナが実行したものだとし、実行者に対して「容赦ない」措置を取ると警告しており、攻撃の懸念が高まっている。

 在ウクライナ米大使館は安全情報を発出し、「米国務省は、ロシアが今後数日のうちにウクライナの民間施設や政府施設を攻撃するための取り組みを強化しているとの情報を得た」と説明。ウクライナに滞在する米国民に対し、出国を改めて呼び掛けた。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領ら政府高官も、24日の同国独立記念日の前後にロシア軍が攻勢を強める可能性があると警告。今年の祝賀は規模が縮小され、首都キーウでは大規模な集会が禁止される。

 ロシアでは20日、国粋主義の思想家アレクサンドル・ドゥーギン(Alexander Dugin)氏の娘が暗殺される事件が発生。同国当局は、ウクライナの情報機関が事件を実行したとの見解を示している。

 モスクワで記者会見したセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は「捜査はまもなく完了すると期待している」と表明。「(事件を)組織・命令・実行した者たちに容赦はない」と強調した。

 一方のウクライナ側は、事件への関与を全面的に否定。ゼレンスキー大統領は23日夜、「われわれの責任ではまったくない」と一蹴した。(c)AFP