【8月18日 AFP】仏パリのオートクチュール界で活躍した世界的ファッションデザイナーの森英恵(Hanae Mori)さんが11日、老衰のため東京都内の自宅で死去した。96歳。日本のメディア各社が18日に報じた。

 羽ばたくチョウをモチーフにしたデザインから「マダム・バタフライ」と呼ばれた。華やかな衣装を世に送り出し、ナンシー・レーガン(Nancy Reagan)元米大統領夫人や、女優からモナコ公妃となったグレース・ケリー(Grace KellyPrincess Grace of Monaco)さんらに愛された。

 国際的な企業を率いる日本人女性はまれだが、その先駆者でもあった。

 東京で日本映画の衣装を手掛けた後、1965年に米ニューヨークで発表した初のコレクションが「東洋と西洋の出会い」と評判を呼んだ。パリにも活躍の場を広げ、1977年にアジア人として初めてオートクチュール組合の会員となった。

 今年1月、読売新聞(Yomiuri Shimbun)のコラムで、服飾デザインへの思いをつづっていた。「ファッションとは、ある時は『さあ羽ばたきなさい』と背中を押して勇気を与え、冒険させてくれるもの」「70年間、蝶(ちょう)が世界中を舞い続けることができたのは、服をつくることが好きだったから」 (c)AFP