【3月10日 AFP】パリ・ファッションウィーク(Paris Fashion Week)が先月28日から今月8日まで、フランス・パリで開催され、各ブランドが2022年秋冬コレクションを披露した。多くのブランドが観客を入れたショーを行い、新型コロナウイルス流行による限定開催からほぼ元通りに復活した。

 開幕を飾ったのは、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のアーティスティック・デザイナーを務め、昨年死去したヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)氏のブランド、「オフホワイト(Off-White)」。同氏の遺作となるコレクションが披露された。

 パリ・ファッションウィークの公式カレンダーによると、参加した95ブランドのうち、オンライン配信のみだったのは13ブランド。

「ディオール(Dior)」、「シャネル(Chanel)」、「エルメス(Hermes)」など45ブランドが有観客でショーを行った。その他はバイヤーやメディア向けの動画配信と本社ショーの混合型で「イッセイミヤケ(Issey Miyake)」などが採用した。

 ロシアによるウクライナへの攻撃が激化する中、「バルマン(Balmain)」のフランス人デザイナー、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)氏は2日、こうした状況下でのコレクションの発表に違和感を抱いているとインスタグラム(Instagram)のフォロワー760万人に対してつづった。

「最新ニュースを暗い気持ちで聞きながら、ランウェイや服のことばかり考えようとするのは気がとがめる」

 ルスタン氏はロシアのウクライナ侵攻が始まるずっと前にコレクションの着想を得ていたはずだが、今回発表された多くの服が戦時の雰囲気を反映しているようだった。 

 ディオールのショーでも肩パッド、エアバッグでできたコルセット、防弾チョッキそっくりのデザインなど「防護」をテーマの一部にしたコレクションが登場。昨年のコレクションは華やかで、コロナからの脱却への希望がテーマの中心となっていたが、そうしたスタイルからは雰囲気が一変したものとなった。(c)AFP/Olga NEDBAEVA / Eric RANDOLPH