【8月10日 AFP】中国政府は10日、台湾統一に関する白書を発表し、「独立派の活動」は断固容認しないとの姿勢を示し、必要があれば武力で台湾を奪取する方針を改めて強調した。中国が台湾に関する白書を発行するのは2000年以来。

 中国政府の国務院台湾事務弁公室などが発行した白書では、各種の経済的な誘導策や軍事的な圧力によって統一を達成するための方策が示されている。

 白書では「われわれは平和的な統一のための広大な空間を創出する用意ができているが、あらゆる形の独立派の活動には余地を与えない」と指摘した。さらに「(中国は)武力の行使を放棄せず、必要なあらゆる措置を取る選択肢を留保する」とした。

 ただ、「独立派の挑発行為ないしは外部勢力がわれわれのレッドラインを越えたことに対処する際にのみ、断固とした措置を取らざるを得なくなるだろう」との考えも示した。

 中台関係は、2016年に蔡英文(Tsai Ing-wen)台湾総統が就任して以降に大きく悪化した。最近も、米国のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が訪台し、中国は台湾を取り囲む形で軍事演習を実施するなど圧力を強めていた。

 この演習について中国人民解放軍(PLA)の東部戦区(Eastern Theater Command)は10日、「各任務を成功裏に完了した」と発表。ただし、「台湾海峡(Taiwan Strait)の状況の変化を注視し、軍事演習の実施を継続し、戦争に備える」との方針を示した。(c)AFP