【7月20日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は20日、ミャンマー国軍が反政府武装勢力との戦闘が続く村々に地雷を大量に設置しており、戦争犯罪に当たると非難した。

 ミャンマーでは昨年の軍事クーデター以降、少数民族武装勢力と国軍との間で新たな戦闘が発生。軍政に対抗して数十の「国民防衛隊(PDF)」が市民により創設された。

 アムネスティの調査員が、タイと国境を接するカヤ(Kayah)州を訪れ、地雷被害の生存者や被害者を治療した医療従事者、地雷除去に取り組む人らにインタビューした。

 アムネスティによると、国軍が少なくとも20の村で地雷を使用しているとの「信用できる情報」がある。田に続く道や民家の庭・玄関口、屋外トイレなどにも埋められており、市民の死傷が相次いでいる。

 アムネスティは、国軍が教会敷地内やその周辺に地雷を設置した事例もあったと指摘している。

 反軍政勢力により一部の地域では地雷除去が試みられているが、「専門的な訓練を受けないまま、原始的な道具を使って手作業で」行われているという。

 アムネスティの危機対応上級アドバイザー、ラーヤ・ラゲ(Rawya Rageh)氏は「過去の苦い経験から、民間人の死傷者は時間を追うごとに増えることが分かっている。広範囲が地雷に『汚染』されているため、家や農地に戻れない人が既にいる」と述べた。

 ミャンマーは、対人地雷の使用、貯蔵、開発を禁じる国連(UN)の対人地雷禁止条約に加盟していない。

 国軍は昨年、クーデターにより国家顧問だったアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏を拘束し、実権を掌握。現地の監視団体によると、軍による市民弾圧でこれまでに2000人以上が殺害され、約1万5000人が逮捕された。(c)AFP