【7月7日 AFP】ナイジェリア政府は6日、首都アブジャ近郊の刑務所がイスラム過激派とみられる武装勢力に襲撃され、受刑者数百人が脱走したと発表した。

 バシル・マガシ(Bashir Magashi)国防相は記者団に、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」による犯行の「可能性が最も高い」と述べ、刑務所に収容されていた同組織の戦闘員64人全員が逃走したと明らかにした。

 一方、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」も、傘下のプロパガンダ機関アマク(Amaq)を通じて犯行声明を出した。

 襲撃を受けたのは、アブジャから約40キロ離れたクジェ(Kuje)の刑務所。住民によると5日夜、大きな爆発音と銃声が立て続けに聞こえた。武装勢力は高性能爆薬を使用して刑務所内に侵入。警備員1人が死亡した。

 この数時間前、ムハマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領の出身地である北西部カツィナ(Katsina)州で、大統領訪問の準備に当たっていた大統領警護隊が武装集団の待ち伏せ攻撃を受けており、治安上の課題が浮き彫りになっている。

 矯正当局によれば、脱走した受刑者のうち約600人が6日夜までに再拘束されたが、100人弱が現在も逃走を続けている。(c)AFP/John Okunyomih with Patrick Markey in Lagos