【6月22日 AFP】ナイジェリア北東部チボク(Chibok)で2014年、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」により寄宿学校から拉致された女子2人が発見された。ナイジェリア軍が21日、明らかにした。

 軍による記者会見に姿を見せた2人は、それぞれ子どもを膝にのせていた。2人は12日と14日に、別の場所で軍により発見されたという。

 ボコ・ハラムは14年、戦闘員数十人でチボクの女子校を襲撃。生徒276人をトラックに乗せ連れ去った。ボコ・ハラムによる初めての女子生徒拉致事件で、国際的に非難された。

 拉致直後に57人がトラックから飛び降り脱走に成功した。さらに80人が、拘束されていたボコ・ハラムの司令官との交換により解放された。

 今回見つかったのは、ハウワ・ジョセフ(Hauwa Joseph)さんとマリー・ダウダ(Mary Dauda)さん。

 ジョセフさんは12日、バマ(Bama)近郊のボコ・ハラム野営地を撤去していた政府軍により発見された。

 ジョセフさんは「チボクの学校から拉致されたときは9歳だった。最近結婚させられ、この子を産んだ」と話した。夫と義理の父親が政府軍の急襲で死亡し、1歳2か月の息子を一人で育てていかなければならなくなったと述べた。

「見捨てられ、世話をしてくれる人はいなかった。食べるものもなかった」

 政府軍がボコ・ハラムに対する攻勢を強めている他、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系組織と対立しており、昨年にはボコ・ハラムの戦闘員とその家族合わせて数千人が投降した。

 ダウダさんは拉致当時18歳で、何度か戦闘員と結婚させられた。

 脱走を決意し、夫に別の村に住むチボクの拉致被害者に会いに行くと言って家を出た。一晩中歩き続け、カメルーン国境近くのヌゴシェ(Ngoshe)で政府軍に助けを求めた。

「残っているチボクの拉致被害者は全員結婚させられ、子どもがいる。(住んでいた)サンビサ(Sambisa)にはまだ20人いる」「戻ってこられてとてもうれしい」と話した。(c)AFP