3回戦進出のウクライナ選手、ロシアの「うそ」批判 ウィンブルドン
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【6月30日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)は29日、女子シングルス2回戦が行われ、ウクライナのレシヤ・ツレンコ(Lesia Tsurenko)はアンヘリナ・カリニナ(Anhelina Kalinina)との同胞対決を制して3回戦進出を決めた後、商業施設へのミサイル攻撃に関するロシアの「うそ」を批判した。知人がこの攻撃の影響を受けたのだという。
大会側から許可を受け、ウクライナカラーのリボンをつけてプレーしたツレンコはこの日、大会第29シードのカリニナを3-6、6-4、6-3の逆転で下した。
試合後の会見では、会場となった12番コートのファンから両選手に「驚くほどのサポート」があったとしつつ、「ウクライナで起こっている恐ろしいこと」に言及した。
ウクライナでは27日、中部クレメンチュク(Kremenchuk)の商業施設がロシア軍のミサイル攻撃を受け、地元当局は少なくとも民間人18人が死亡したとしている。これに対しロシア軍は翌日、武器庫を攻撃したところ爆発が起き、近隣の商業施設で火災が発生したと発表。施設は当時「営業時間外だった」と主張している。
これについてツレンコは「特にロシアのプロパガンダを目にするのは本当に苦痛。例えば、クレメンチュクのあのショッピングモールは営業していなかったと言っている件だ」とした上で、「あれはうそ。私のフィットネスコーチはあそこの出身だから。彼の義理の母親はあの商業施設で働いている。幸運にも休みの日だったけれど。彼と彼の父親は現場から遠くない場所にいた。父親は衝撃波で転倒してしまったらしい」と話した。
また、2月からロシアの侵攻を受け、戦火に見舞われる故郷の状況を考えると、無力感を覚え、「深い罪悪感」があるというツレンコ。
「自分にできることは何もないのではないかと感じている。だから唯一できるのはプレーし続けること。前に言った通り賞金の10パーセントを寄付する」と語り、「10ドルの寄付が無意味だと考えているのであれば、それは間違い。それには大きな意味がある」と主張。世界中の人たちにできる範囲で援助してほしいと訴えた。(c)AFP/John WEAVER