【6月24日 AFP】米連邦最高裁は23日、国民には公共の場で銃を携帯する基本的な権利があるとする判断を下した。同国では最近、学校などで銃乱射事件が相次ぎ、銃の規制強化を求める声が高まっていた。

 最高裁判事は、自宅外での銃の携帯には正当な自衛の必要性を証明する許可を必要とする1913年制定のニューヨーク州法を6対3で無効とした。銃の携帯については、米国の半数以上の州ではすでに許可が不要となっているものの、20州以上では制限が設けられており、今回の判断の影響は他州にも広まる可能性がある。

 武器を保有する権利を保障する憲法修正第2条をめぐり、最高裁が判断を下したのはここ10年で初めて。

 この判断を受け、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、「深く失望している。この判断は良識と憲法の両方に反するものであり、われわれ皆を深く苦しめるものだ」との声明を出した。

 一方、有力な銃ロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」のウェイン・ラピエール(Wayne LaPierre)副会長は、「全米の善良な男女にとって転換点になり、NRAが何十年にもわたって率いてきた戦いの結果だ」と歓迎した。

 また、ニューヨーク州のキャシー・ホークル(Kathy Hochul)知事はこの判断を「衝撃的」だと形容し、これにより「合理的な制限を有する権利」が奪われたとの見方を示した。その上で、「このような暗い日が来てしまったことを遺憾に思う」と記者団に述べた。(c)AFP/Chris Lefkow