【5月27日 AFP】米南部テキサス州の小学校で起きた銃乱射事件で、警察の初動対応に疑問を呈する声が目撃者から上がっている。保護者らは警官に対し、校内に突入するよう訴えたが、聞き入れられなかったという。

 24日の事件では、同州ユバルディ(Uvalde)にあるロブ小学校(Robb Elementary School)の児童19人と教員2人が死亡。サルバドール・ラモス(Salvador Ramos)容疑者(18)が警察に射殺された。

 娘のジャクリンさんを亡くしたハシント・カサレス(Jacinto Cazares)さんは25日夜、ABCニュース(ABC News)に対し、銃撃があったとの知らせを受けて学校に駆けつけたところ、「完全武装した警官が少なくとも40人いたが、手遅れになるまで何もしなかった」と語った。他の保護者たちも米メディアに対し、現場の警官に対してもっと強硬な措置を取るよう訴えたと語っている。

 地元の教会で夫婦ともに牧師を務めるダニエル・マイヤーズ(Daniel Myers)さん(72)と妻のマチルダ(Matilda Myers)さんはAFPに対し、警察はすぐに校舎に突入せずに増援を待っているようにみられ、現場の保護者は取り乱していたと語った。「保護者たちは必死で、自ら突入する覚悟だった。ある男性は『自分は軍隊にいた。銃をくれ。突入する。躊躇(ちゅうちょ)はしない』と叫んでいた」

 テキサス州公安局のスティーブン・マクロー(Steven McCraw)局長が米CNNテレビに語ったところによると、ラモス容疑者が校舎に入ってから警官に射殺されるまでの時間は約40分間だった。だが米国境警備隊のラウル・オルティス(Raul Ortiz)隊長はCNNに、同隊の隊員は躊躇することなく「可能な限り迅速に対処した」と述べている。(c)AFP