【5月28日 AFP】米テキサス州ユバルディ(Uvalde)の小学校で児童19人と教員2人が犠牲になった銃乱射事件について、元郵便局員のキース・ジェーレン(Keith Jehlen)さん(68)は「吐き気がする」が、「銃は悪くない」と述べた。

 同州ヒューストンでは今週末、全米ライフル協会(NRA)の年次総会が開催されている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領のスピーチを聞くために並んでいたジェーレンさんは、個人で50丁以上の銃を所有しているという。学校にいた人々が武装していれば、今回の事件は違う展開になったかもしれないと主張した。

「殺人犯は、裁判官も警察も恐れない」とジェーレンさん。「犯人は(銃を手にした)被害者を恐れるべきだ」

 トランプ氏はスピーチで、事件で亡くなった児童の名前を読み上げ、「平和的で法律を順守する」NRA会員を悪者扱いする「不快な」民主党を非難して拍手喝采を浴びた。

■「道具を悪者にしても問題は解決できない」

 NRA総会は単なる銃愛好家の集いではなく、購入を検討している銃の「感触」を試せる場でもある。

 退役軍人のリジー・V(Lisy V)さん(31)は9ミリ拳銃の重さやバランスを試しながら、メーカーの担当者に「ああ、これはいい」と述べた。「テキサスはズボンでは暑いので、スカートの下にホルスターで取り付けて隠せるピストルを探している」という。

 リジー・Vさんは小学校での乱射事件について尋ねるとしばらく考え込んでから、「個人的にはもっと銃に関する教育が必要だと思う」と述べた。18歳で軍に入隊できるのだから、同じくアサルトライフルも買えるようにすべきだと付け加えた。

 銃業界を支持すると言うジム・メイナード(Jim Maynard)さんは「道具を悪者にしても、われわれが抱えている問題は解決できない」と述べた。そして暴力による米国の危機を銃のせいにするのは「誇張」であり、もっと精神衛生プログラムの拡充に力を入れるべきだと主張した。

 会場前で行われていた銃規制支持派の抗議集会については、「次の銃乱射事件を防ぐためには何の役にも立たない──人が暴力を振るうのを止めることはできない」と述べた。(c)AFP