【6月17日 AFP】フランスは、今週末にかけ各地が季節外れの記録的熱波に見舞われる見通しで、当局が注意を呼び掛けている。隣国スペインはすでに6日連続の猛暑に見舞われており、森林火災が相次いでいる。

 フランス気象局(Meteo-France)によると、同国では史上最も早い熱波の発生で、冬から春にかけての異常な乾燥で生じた干ばつが悪化し、森林火災を引き起こす危険性が高まっている。スペインからの熱波は14日、南仏ピレネー山脈(Pyrenees)に到達。18日にかけて国土の大半に広まると予想され、首都パリでは気温が39度に達する可能性もある。

 スペイン気象庁(Aemet)によると、同国では最高気温が43度に到達する見通しで、19日まで暑さが和らぐ見込みはない。北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州では、少なくとも3件の森林火災が発生している。

 先月は、スペインで今世紀に入ってから最も暑い5月、隣国ポルトガルでも1931年以来最も暑い5月になっていた。多くの科学者は、欧州各地で季節外れの暑さが続く原因として、温室効果ガスの排出による地球温暖化を指摘している。

 フランスの送電会社RTEによると、同国ではエアコンや扇風機の使用が急増。国内原子炉の多くが保守点検などのために運転を停止しているため、近隣諸国から電力を輸入せざるを得なくなっている。また、猛暑のため河川の水位が低下し、温度の高い冷却水を河川に戻すと環境に影響が出るため、一部の原子力発電所は出力を下げざるを得ないという。

 フランス国鉄(SNCF)は、暑さによる線路の変形や、電気機器の故障で列車の減速運転が必要となり、遅延が発生する可能性があると警告している。(c)AFP/Joseph Schmid