親ロ派、英・モロッコ戦闘員3人に死刑 ウクライナで拘束
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【6月9日 AFP】(更新)ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国(Donetsk People's Republic)」の最高裁判所は、ウクライナ側について戦っていた際に拘束された英国人2人とモロッコ人1人の戦闘員計3人に対し、死刑を言い渡した。ロシアのインタファクス通信(Interfax)が9日、伝えた。
3人は、英国人のエイデン・アスリン(Aiden Aslin)氏とショーン・ピナー(Shaun Pinner)氏、モロッコ人のサウドゥン・ブラヒム(Saaudun Brahim)氏。報道によると、ウクライナ側の傭兵(ようへい)として活動したとして起訴された。
インタファクス通信によると、3日間の裁判で3人は「ドネツク人民共和国の権力掌握と憲法秩序の転覆を目的とした行動」を取った罪を認めた。判決は1か月以内に控訴が可能。
英国人2人は4月、数週間にわたってロシア軍に包囲されていたウクライナ南部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)で、ブラヒム氏は3月に東部の町ボルノバハ(Volnovakha)で投降。ロシア国営テレビは4月、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相に解放交渉を要求する英国人2人の映像を公開していた。
英首相報道官は声明で、死刑宣告に対し「深い懸念」を表明。捕虜の待遇に関するジュネーブ条約(Geneva Convention)では、敵対行為に参加した罪で捕虜を起訴すべきではないことが定められていると指摘した。リズ・トラス(Liz Truss)英外相もツイッター(Twitter)への投稿で、判決を「全面的に非難する」とし、「彼らは戦争捕虜だ。これは正当性の全くない偽物の判決だ」と批判した。(c)AFP