【5月31日 AFP】ウクライナ東部の親ロシア派共和国当局者は30日、南東部マリウポリ(Mariupol)のアゾフスターリ(Azovstal)製鉄所から撤収してロシア側に投降したウクライナ兵について、死刑が科される可能性もあると語った。

 ロシア通信(RIA)は、親ロ派「ドネツク人民共和国(DNR)」のユーリー・シロワトコ(Yuri Sirovatko)「法相」の発言として「投降兵については法廷が裁きを下す」と伝えた。シロワトコ氏は「DNRにおいては(投降兵が犯したような)罪に対しては最高刑として死刑が定められている」と語った。

 また、製鉄所からの投降兵約2300人を含む「すべての捕虜がDNRの領内にいる」と述べた。

 ウクライナ兵は製鉄所の地下に数週間にわたって立てこもっていたが、今月、投降した。ウクライナ政府はロシア側に、投降兵とロシア兵捕虜の交換を提案。しかしロシア側は、投降兵はまず裁判にかけられると示唆していた。

 投降兵には、元準軍事組織でウクライナ軍に統合されたアゾフ連隊(Azov Regiment)のメンバーも含まれている。

 ロシア側は、過去に極右団体と関係があったアゾフ連隊を「ネオナチ(Neo-Nazi)組織」と呼んでいる。

 フランス、ドイツ両国の首脳は28日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と電話で会談し、製鉄所からの投降兵を釈放するよう要請していた。(c)AFP