【6月3日 AFP】ロシアが2月24日にウクライナに侵攻してから、3日で100日となった。開戦初期の段階で首都キーウの掌握や政権打倒を狙ったロシア軍は作戦の縮小を迫られ、東部ドンバス(Donbas)地方の制圧を目指している。

 ロシア軍は、東部ルガンスク(Lugansk)州の主要都市セベロドネツク(Severodonetsk)の一部を制圧。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は「ドンバス地方の状況は依然として極めて厳しい」と認めている。

 英ロンドンのシンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス、Chatham House)のマシュー・ブレグ(Mathieu Boulegue)氏は、ロシア軍は困難に直面しながらも前進しているとしつつ、ロシアが望んだと思われるような「軍事的な征服にはなっていない」との見解を示した。

 ブレグ氏は、「ロシア軍は装備を更新せず、部隊も消耗している」と指摘し、「今後数週間でロシアは機動戦から、構築した陣地を足掛かりとした陣地戦へと軌道修正せざるを得ないだろう」と予想する。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が始めた戦争は、当初の目標からは後退したかもしれない。だが、南東部の主要港湾都市マリウポリ(Mariupol)を制圧し、2014年に併合したクリミア(Crimea)半島を結び陸路の戦略回廊を確保した。戦争ではなく「特別軍事作戦」と呼ぶロシアにとって、ドンバス地方での支配地域拡大は歓迎すべき状況になるだろう。